きっと、食べ物をつまらせたのだろう。

前のように責任を押しつけられることはないはず。


そんなことを考えていると、医者が和田の前に来て、ささやくように言った。
「先生、警察を呼びます」

「え?」

「彼は、首を絞められての窒息が疑われます」

その言葉に、健治が怪訝そうな顔で近づいてくる。



「それは・・・ないと思います。彼は、ひとりで急に苦しみだしたんです」
健治に聞こえないように耳打ちする。

・・・この医者、大丈夫かしら?

和田は、心でまた繰り返した。

大丈夫・・・大丈夫。