男子生徒からあわてて離れた女子が、非難するような目で僕を見る。

まるで、僕がのぞきでもしていたみたいに。


「・・・チッ」
わざとらしく舌打ちをして、男が僕をにらみながら出てゆく。
女も、わざとらしくため息をついて出てゆく。

バタン!

目の前で音を立てて扉が閉まった。
勢いで風が顔にあたる。

すぐに中から鍵を閉めると、その静寂にホッとする。

息を整えながら、図書室をぐるっと見回す。

図書委員会の仕事も、半ば強引に押し付けられたけど、今では感謝している。