午後いちばんの授業は、国語だった。

眠気がやってきて、先生の言うこともなんだか頭に入ってこない。

国語の先生は、クラスの担任でもある和田という女性。

35歳らしいが、見た目が若いと評判で、本人もそれを自覚しているように見える。

私からしてみれば、ただの若作りにしか見えないけれど。


「・・・それじゃあ、こっから誰かに読んでもらおうかな」

眠気の合間に、和田の声が耳に入りあせる。


ヤバイ。『こっから』ってどこから?


あせって周りを見渡すと、いつのまにか別のページに進んでしまっている。

「ええっと・・・」

和田が教室をゆっくりと見渡す。


一瞬目が合って、とっさに顔を伏せた。


・・・誰かに聞くこともできない。