「そっか」
小澤正輝は、なんでもないことのように言った。
「で、なにが深刻なの?」

「・・・」

正輝の顔を見つめる。

なんだか、はじめて会ったのに不思議と壁を感じない。


・・・こうしてやさしく話をしてくれる人もいなかったし。


「あのね・・・。私ね・・・」
私は、正輝にこれまでのことを話した。


うまく言えなくって、話があっちこっちに飛ぶ私の話を、正輝はただただ黙って聞いてくれた。

口をはさむでもなく、時折軽くうなずいて。


さっきの健治と弘樹たちとのことまで話しきった私は、ふぅーと息を吐いた。