「そうそう、当たっただけ。どうぞ、召し上がれ~」
弘樹が悪びれもせずに笑い声をあげた。

ぐちゃぐちゃになったおかずは、ホコリがついていた。

「お前もさ、くっだらねーこと言ってないで、もっと女子とからめよ。亜矢音とかと仲良くしてもらえばいいじゃん」
健治のおちょくるような言い方に、
「ちょっと、健治。なんであたしなのよ!お断り~」
と、女子のリーダーである稲垣亜矢音が声を出した。

亜矢音は、長い髪を指先でいじくりながら、私を見て笑っている。


・・・これ以上、ここにいたくない。


私は弁当箱を手早く包むと、カバンに入れて立ち上がった。