“図書室”と書かれた部屋まで来ると、ポケットからもどかしく鍵を取り出した。

「いそがなきゃ。あいつらが来る、あいつらが来る」

あわてすぎて、鍵が手からこぼれ落ち、足元で音をたてる。


たったそれだけでも、絶望を感じるほどのもろさ。


ため息をつきながら拾う。

ガチャッ

鍵をまわして扉を開けると、
「あ・・・」
中から驚いたような声。


はだけた制服で抱き合っていた男女が僕を見ていた。

・・・まただ。図書室でいちゃつく上級生。

僕は、あわてて目をそらす。