・・・そう、はじめての友達

この図書室で会うことが、毎日幸せだったんだ。

幸せだったんだよ。

「・・・僕もうれしかった」

「・・・」

「何年もここで、いじめてきたやつへの恨みをつのらせていた。春も夏も秋も冬も・・・。でも、ここで君に出会えたことで、こんなにも気持ちが穏やかになったんだ」

「う・・・」
こらえていた涙がこぼれる。

後ろから、正輝が私を抱きしめた。

こんなに暖かいのに、こんなに近くにいるのに、もう・・・会えないの?


「桜、君が僕に言った言葉、覚えている?」