「クラスのみんなには手を出すな。関係ないだろう」

横目で守をにらむ。

守は、首をかしげて、
「なんで?」
と問うた。

「いじめてたのは俺たちだろーが!他のやつは関係ねぇ」

「・・・それ、ほんとに言ってるの?」

急に守のトーンが変わる。

「・・・」

絶句する健冶。

「僕をいじめていた君たちも許せないけど、それを見ないふりしたみんなはもっと許せない。みんな、僕が死んで後悔した?ううん、してないよ。彼らは、僕の存在をなかったことにしたんだ」

抑揚のない一定のトーンで守は言った。

それが逆に健冶の胸に響いた。