「やめろっ・・・」

抵抗しても、足がそこにかかり、強引に体が持ち上げられる。


ひときわ強い風がぶつかる。

窓枠に立ち、下を見下ろしていた。

いつの間にか、守が同じ高さに浮かび健治に並んだ。

「この景色。健冶君は下から見ていたよね?」


・・・そうだ。

オレンジに染まる空の下、校庭から飛び降りる守を見ていた。


「俺は、死んでも構わない」

その時のことを思い出しながら、健治は言った。

「へぇ」

守が目を開いて健治を見る。