「聞け、桜!俺が死んだら絶対お前が疑われる。だから、さっきの携帯の録画を見せるんだ。いいな!」

不思議と健冶の心は落ち着いていた。

呪いの存在を認めた時から、こうなる事は分かっていた。

目だけで桜を見る。

・・・あんなに怯えて・・・。


「桜、最後に教えてくれ」


桜が泣きながら健冶を見た。

「・・・お前の名前の由来。それだけ気になるんだ」

「・・・」

「たのむ、最後に教えてくれよ」
健治が笑いかけると、体が痛むのか、桜は息をなんども深く吐きながら口を開いた。