「けーんじくん。もう終わりなの?」

「・・・てめぇ」

ひどい痛みと戦いながら、健治は上半身を起こして守を見た。


その目は憎しみで燃えている。


「そうそう、その目」
守はうれしそうな声を出す。

「いっつもそんな目で僕を見てたよね。怖かったんだ、僕」

「・・・」

「僕は、悪魔に命をあげたんだよ。そんな僕にかなうわけないじゃん」
そう言って唇をゆがませる守の目は、真っ黒で狂気に満ちている。

「僕にはチカラがあるんだ」

守が手を伸ばし、ゆっくりそれを上にあげると、健治の体が同じように立ち上がった。