・・・分かってる。

もう一度心でつぶやく。

一番守をいじめていたのは、まぎれもない自分なのだから。

許されないことをしたのも分かっている。

だけど、このまま終わらせるつもりはない。

クラス全員皆殺しなんて、ぜったいさせない。


健治は、タクシー乗り場に行き、停車していた車に乗り込む。

後ろのシートにドカッと座ると、
「中学まで行ってくれ」
と言った。

制服姿の中学生が乗ったものだから、運転手は一瞬眉をひそめたが、
「はい」
と、すぐに車をスタートさせた。