ツバを道端に吐き捨てた。

「まだ2年だぞ、2年」

母が死んで少ししかたってないのに、あんなバカ女にだまされやがって!

イライラが健治の心をゆがめる。

駅前まで来ると、時計を確認する。


23:00


・・・前なら、こんなとき弘樹を呼び出せば、朝まで時間をつぶせたのにな。

ため息をついて、駅前のベンチに腰かけた。

最終電車の終わった駅は閑散としていた。

・・・今頃、平野桜は学校にいるのだろうか?