「・・・なぁ」

「・・・ん?」

腕を組んだまま、そっぽを向く健治。

「前さ・・・、お前の名前。バカにしたよな」

「ああ」

桜って名前が春だけしか生きてない、みたいな事言われたっけ。

もう、ずいぶん前の出来事に感じる。

「桜、ってどういう意味があるんだ?」

「気になるの?」

「んなわけねーだろ」
そう言いながら、健治は私を見る。