「はじめは楽しそうに学校に通っていたのよ。でも、中学1年生の途中からからかわれるようになって・・・。2年生の春に、あの子は・・・・・・」

友利子の目が、また空間をさまよう。

ひどく疲れた目の下には大きなクマができていた。


「私も・・・同じです」

「なにが?」

「私も、転校してきてから仲間に入れてもらえなくって、いつもひとりなんです。直接的ないじめではないけど、無視されてるようなかんじです」

転校初日から、まるで“私としゃべらないゲーム”でもしているかのようだった。

話しかけても聞こえないふり。

近寄ろうとすれば逃げられる鬼ごっこのよう。

そんな毎日だった。