いそがなくちゃ!

恐怖を振り切り、走る。

「知佳ちゃん、もう少しで追いつくよー」

高い声がどんどん近づく。

式場のドアを必死で開けると、まばゆい光に一瞬めまいを覚えた。

みんなが知佳を見て驚いている。

「あなた、血が・・・」

手を伸ばしてこようとする老婦人を、
「触らないで!」
とはねのけると、知佳は祭壇めがけて最後の力を振り絞った。