でも・・・。

でも!

今度は階段を急ぎ足、かつ慎重に降りる。

足をひねったらしく、踏み出すたびに激痛が走った。

1階の廊下に出ると、右に急ぐ。

この先が式場だったはず。

参列者やクラスメイトが、ボロボロになって走る知佳に驚いている。

助けを求めたいが、今はろうそくの火を消すのが先。

歯をくいしばって、式場の光を目指す。


あと、少しで式場というところで振り返る。

「!!」

向こうから守が笑いながら走ってきていた。

・・・なに、あのスピード

すべるかのように、どんどん近づいてくる。