どれくらい、そうしていただろう。

いつの間にか守の声はしなくなっていた。

握り締めた手が痛い。

おそるおそる、知佳は目を開く。

扉の上部にも守はいない。

「・・・消えた」
ホッとして息をついたその時、

___ぴちゃっ ぴちゃっ

水滴が上から落ちてきた。

・・・雨漏り?

再び扉の上部を見つめる。

水が外から投げ入れられている。