・・・え?ひとりになるの?

思わず、そう言いかける。

一緒について行きたいけど、そんな仲じゃないし・・・。

普段の自分の行動が悔やまれた。


ひとりになると、知佳はポケットから携帯を取り出してメールを確認した。

「亜矢音、どうしたんだろ」

今朝から何度かメールや着信を残しているが、折り返しがない。

バックレたのかもな・・・。


___正直、知佳は亜矢音が苦手だった。

小学生までは楽しくて頼りがいのある友達だったのに、中学になると急に健治たち男子グループとつるむようになり、どんどん態度が大きくなっていった。

クラスで弱い存在を把握し、それを的確にバカにするのもいやだった。