「・・・はい」
少しの間をおいて、戸惑ったように英美が答える。

・・・しゃべったことないから当然、か。

「昨日、あの転校生が言ってたこと・・・ほんとだと思う?」

「・・・」

「呪いとかって、私は信じてないんだけどさ、なんか気になるっていうか」

「・・・わかりません。でも、実際にふたりが亡くなってるわけだし・・・」

敬語なのが、英美との距離を痛感させた。

「だよね・・・」

その言葉に、英美はホッとしたように作業に戻った。

ため息をつくと、知佳も脇にある段ボールに香典返しの袋を詰める。

数を数えて段ボールにマジックで書く。

学校関係者が多く参列するからか、数も多いようだ。

「すみません、トイレ・・・行ってきます」
英美がそう言うと、立ち上がった。