友利子がここに来たこと自体問題なのだろうけど、一番の驚きは、その格好だった。

葬式ではありえない真っ白なスーツを着ているのだ。

胸には鮮やかな花のコサージュまでつけている。

「すぐに帰りますから。ちょっと、通してください」

友利子は笑みを浮かべたまま、スタッフを押しのけるとまっすぐに祭壇に向かって歩いてくる。

誰もが驚きを隠せず、それを見守っていた。

いつの間にか、隣に健治がやってきて、
「おい、あれ」
と言った。

「うん。友利子さん」
私は目が離せず、友利子を見たままうなずいた。

「あいつ・・・なにやってんだ」