「・・・亜矢音ちゃん」

この声!

信じられない思いで、目の前の人物を見た。


「・・・守」

声は枯れ、ささやくよう。



目の前には守がいた。

汚れた制服で亜矢音を見ている。

その目は暗く、光がない。


「亜矢音ちゃん、どうして僕をいじめたの?」

守は青い顔で首をかしげた。


「あ・・・あ・・・」

逃げたいけれど、体が動かない。