1歩外に出ると、一気に光は少なくなり、夜の黒が深くなる。

まるで現実に戻されたかのよう。


「フッ」
亜矢音の口から笑みがこぼれた。


･･･なに怖がってんのよ。呪いなんてあるわけないじゃん。

死んだ人間がどうやって呪いをかけんのよ。


そう思うと、さっき一瞬でも信じかけた自分がバカみたいに思えて、亜矢音は肩をすくめた。


突然、携帯がのんきな着メロを奏で、飛び上がるほど驚いた亜矢音は、携帯の画面を開いた。

いつもなら、お知らせ通知画面になるはずが、なぜか画面は暗いまま。