「すみません。次の方がお待ちなんで」
うんざりしたような店員の声に、ハッと我に返る。

後ろに弁当を持ったサラリーマンが、怪訝そうな顔で立っていた。


「あ・・・」

右手に持っていた小銭がバラバラと音をたててこぼれ落ちた。


・・・そんなわけ、ない。そんなわけがない。


「あっ、お客さん!」
店員が呼びかけるのもかまわず、亜矢音はレシートを握りしめて急ぎ足でコンビニを出た。


・・・呪いなんてあるわけがない。