「なんでもない。早く、お釣りっ」

亜矢音が差し出した手に、むっとしたのか店員が、
「・・・チッ」と舌打ちをした。

小銭を集める音。

「444円のお釣り」

顔も見ずに店員が亜矢音の手に釣りとレシートを置いた。


「・・・444円?」
亜矢音は、自分の右手に置かれた小銭を見つめた。

「はぁ」
気の抜けた声も、亜矢音には聞こえない。


レシートをおそるおそる取ると、そこには、
【お釣り  444円】
と書いてあった。


「・・・ウソ」

その文字から目が離せない。

444の呪い?

まさか・・・。