「あら、もういいの?」

夕食のすすまない亜矢音に、母が声をかけた。

「うん」
亜矢音は言った。

ため息ばかり出る。


「ふうん」
そう言いながら、母はテレビをぼんやり見ている。

「・・・なんか食欲ないんだよね」
箸を置いてそう言う。

「ふうん」
テレビから目を離さない。


・・・興味ないよね、あたしになんて。


クラスメイトが死んだの。

先生も死んだんだよ。


どんな会話もきっと、『ふうん』で終わるよね・・・。