ふたりが、そして、クラス全員が冷たい目をして桜を見る。

「・・・ごめん」
桜がのろのろと立ち上がった。
「ほんと、ごめん。・・・でも信じてくれなくってもいい。みなさん、444の数字にだけは気をつけてください。それだけです」
そう言って桜はおじぎをすると、机にあるカバンをとると急ぎ足で出て行ってしまった。


桜がいなくなっても、亜矢音は憎々しげに扉を見ていた。

知佳が、
「あの子、頭がおかしいのかな」
と笑う。

それでもその声が、自信なさげな口調になっている。


亜矢音はみんなの表情を見渡す。
どの顔も曇っていて、少なからず桜の言葉がひっかかっているようだ。

「あはは」
亜矢音は声を出して笑った。