ニコニコ笑顔の水樹先輩に、私も笑顔を浮かべて。


「ありがとうございます。じゃあ私からも」


そう言いながら、人参を返した。

ごめんなさい、水樹先輩。

私も人参、苦手なんです。


その後、水樹先輩の人参は、赤名君の口の中におさめられた。


そんな光景を思い出しつつ、食器を洗いながらチラリとリビングの様子を見る。

男子は4人でソファーに座りながら雑談をしているようだ。

会長が人差し指を立てる。


「お泊り会といえば、あれだろう」

「なんスか」


興味があるのかないのか、藍君がなんとなくついているテレビを見ながら問いかけた。

すると会長がニンマリと笑って。


「告白大会だ!!」


まるで効果音でも流れるような勢いでそう言うと、ちょっとだけ迷惑そうに藍君が片眉を上げる。