てっきり私だけだと思っていたのに。
それに……今の、なんだろう。
「……今、危ないって言いました?」
何が危ないのかわからなくて聞くと、先輩は微笑む。
「そろそろ門が閉まるけど」
「わっ! もうそんな時間ですかっ」
それは確かに危ない!
警備の人もいるし閉じ込められることはないにしても、叱られるかもしれないことを考え、私は小走りで先輩の方へ向かった。
そうして、水樹先輩の横に並んでお礼を言いながら、ふと気になる。
先輩は、どうして残ってたんだろうと。
──だけど。
「一緒に帰ろうか」
そんな疑問は、先輩の提案で簡単に吹き飛んでしまった。
ただし
自分がどうなっているのかという不安は
ずっと消えないまま。