映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』のメインキャストである福原遥さんと水上恒司さんに特別インタビュー!

今回の映画に向けた二人のお気持ちや撮影当時のエピソードなど、もりだくさんで伺ってきました。

原作サイトユーザーにむけた限定コメントも!

原作を読まれて、演技・表現にこだわったシーンなどがあれば教えてください。

福原:私は原作を読んで、原作と映画で百合の年齢が違ったので、中学生と高校生の思春期の葛藤ってそれぞれ違うものだと思っていて、原作の百合の「イライラ」は高校生だったらもっと大人になった考え方だろうなあ、と。

百合の役作りは、高校生という年齢を考えて高校時代を思い出したりとか、現役の高校生を参考にさせていただいて「高校生とは?」を考えながら演じました。

(※原作では百合は中学生、映画では高校生)

水上:実は僕は今回、原作を拝見せずに挑ませていただきました。

小説でもマンガでも、2次元の世界を実写化させるっていうのは全くの別物になるなと。

文章の説明から受けるイメージや行間から感じるものは人によって違うと思うので、それを3次元で表現しようと思うとかなり難しくて。

僕は実写化するときにあまり原作に捕らわれないように、実写ならではの世界観を作っていけたらいいなと思ってました。

だから僕は「原作の彰」がどんな感じか、はわからないんです。

今回はW主演で、百合の気持ちの機微を追って、それを観た観客の方が揺さぶられていく作品なので、彰がどんな立ち位置で、どんな姿でいれば百合が動いていくのかっていうことを考えていて、僕は彰側のことはあんまり説明していないような作り方にしましたし、台本にもそう書いてあったんですよね。

「百合の心を動かすための彰」になれるように役作りをしてました。

完成した映画をご覧になっていかがでしたか。

水上:お互いのスケジュールがかみ合わなくて、映画を観た直後は福原さんと感想をあまり言い合えなかったんですよね。なので昨日、その話をしたばかりです。

撮影が始まる前からいろんなディスカッションを重ねてきたので、なんとか世に出せる作品にできたな、形になってよかった、という話をしました。

今この作品を世に出す意味はなんだろうと考えながら撮影してたので、この作品を皆さんに届けられることに感謝の気持ちでいっぱいです。ありがたいなと思います。

福原:撮影する前からたくさん話し合っていたんですが、不安だったり葛藤だったり…いろいろな想いを抱えて、感じながら撮影していたんです。

完成したものを見て、この映画はすごくたくさんの人たちの力で出来上がっているんだなと思いました。

無事皆さんに届けられる作品が出来て良かったな、という安心感があります。

たくさんの方にこの作品を見てもらえたらいいなと思います。

水上:僕は勝手に福原さんの同士だという気持ちで、撮影前からお話させていただいてました。芸歴では大先輩なんですけどね。

福原:いやいやいや(笑)

水上:僕たち2人のポジションは他の役者さんたちに支えられているなと思いました。

皆さんが居てくれたおかげで僕たちがなんとか立てているといいますか。

まあ福原さんとっていうか僕がって感じですけど…至らないところがたくさんあったので。

福原:そんなことないですよ。

水上:皆さんが僕たちを「支えたい」と思ってたかはわからないですけど(笑)、結果的に「支えられた」って思いました。

福原:私は完成した映画を観終わって、本当に彰が水上さんでよかったなって思って、そう伝えました。

福山雅治さんの主題歌「想望」に関してはいかがでしょうか。想いや感じたことがあれば教えてください。

福原:歌詞が作品そのものでしたね!作品に詰まった想いだったり、私が撮影しながら感じていたものが歌詞に詰め込まれていて…。

「まさかあの福山雅治さんが歌ってくださるんですか!?」と思いましたけど、信じられないくらい嬉しかったです。

水上:びっ…くりしましたよね。

福原:ねー!歌にも支えられましたね。

水上:本当にそうですね。

彰、百合を演じてみて「自分と似ている・共感する」ポイントはありましたか。

水上:うーん、似ている部分っていうのは僕はよくわからないです。

共感するというか憧れる、自分も目指していきたいなと思うところはありました。

板倉(嶋崎斗亜)もそうですけど、彰が世の中に対して許している部分が多くて。

自分が戦争に行く理由を時代とかのせいにしたくなるくらい、ネガティブで、無慈悲で、不条理な、残酷な世界に生きているのに、それすらも受け入れて許していて。

「こうしたほうが楽だ」という境地に達していて、憧れます。

僕も目指していきたい部分だなと思いました。

福原:私はあまり自分と似ているなと思わなかったです。

でも家族が大好きなところは自分と同じだなって。私も家族が一番好きです。

「戦争」という特殊な世界観の中で、共感できること、あるいは難しかったことがあれば教えてください。

福原:全部難しかったですね。

戦争について学校で学んではいますが、経験していないので、実際に当時を生きた方々の気持ちが分かるなんて簡単には言えませんが、少しでも気持ちに近づき、こんなに苦しかったんだということが見ている人に伝わるといいなと思いながら演じました。

水上:現代からタイムスリップしてきた百合の姿、のほうに共感できます。

戦争に対して「ばかばかしい」って思うところとか。

僕の親族も、探せば戦争を経験した人がいるとは思うんです。

けど僕はそれを知らなくて、知らないからこういう意見になるんですけど、戦争でなにかをなくした経験がないから僕自身は戦争を冷めた目で見られるんです。

百合の「(戦争することに)意味あんの?」っていうのは現代人の僕らの声ですし、屈してはいないけど、なぜ彰が戦争や軍隊に従わないといけないんだろう?って。

なので彰側の「戦争すること、従うこと」は僕は理解というか…共感できないです。

百合の言葉って現代人を象徴する声だと思うし、彰に共感できない僕が彰を演じたことにも意味があると思います。

作中に「手紙」のエピソードが登場しますが、お2人が大切な人へ手紙を書いた経験や、手紙の魅力だと思うこと、があれば教えてください。

水上:僕はデビュー当初は、今後もできたらいいなとは思ってるんですが、ちょくちょくファンレターにお返事を書いてました。

今って簡単に文字が打てて、送れるようになったから「伝える」って簡単にできるようになっていて、だからこそ作中の手紙が百合の心に刺さるんだと思うんですよ。

僕の知り合いの方もイベントの招待状をあえて手書きで書いていて、手書きの文字のほうが受け取った側は色々想像できるかなと。

現代だからこその手紙の魅力っていうのは一昔前よりも一段高くなっているような気がします。

福原:私は手紙って本当に大事だし大好きです。感謝だったり、なにかを伝えたいときは、手紙を書いてます。

手紙って素直な気持ちが書けて、嘘がない、ストレートに相手に気持ちを伝えられるものだと思います。自分も貰うとあったかい気持ちになるものなので、いただいた手紙は全部とっておいてあります。ファンレターも!手紙は自分にはなくてはならないものだなと思います。

水上:ファンレター全部、保管してるんですか!?

福原:そうなんです。

水上:管理大変じゃないですか?

とんでもない量がありそうですね!

撮影期間中、印象に残ったことがあれば教えて下さい。(撮影中、休憩中、待機中など)

水上:僕あるんですよ。

福原さんがね、撮影の序盤に「水上くん料理するんでしょ?おにぎり作ってきてるもんね」って。

料理するよって言ったら「私ね、おすすめの1番美味しい塩があるの。箱であるの!絶対持ってくるからね!」って言われて、一切持ってきてくれませんでした。

福原:うそ!渡してなかったですか?

水上:もらってません!

福原:ええっごめんなさい!渡したと思ってて。

味の感想がこないなあって思ってた…(笑)

水上:そんなこと思ってたんですか!?(笑)

僕、プロモーションで絶対この話しようって思ってたんですよ。

福原:もらってないって早く言ってくださいよ。

「塩は?」って(笑)

水上:僕からちょうだいって言えないじゃないですか、そんな厚かましいことできないですよ(笑)

でも福原さんがずーっと言ってたんですよ。「本当に美味しいの!」って。

そう言ってたのに持ってきてくれないんです。

福原:ごめんなさい(笑)渡したと思っていました。

水上:ほらあ、多分一生届きませんね。

僕が買いに行くしかないですね。

福原:水上さんは、本を読んでいたイメージがあります。

何読んでるのか聞いたら教えてくれるんですけど、難しくてまったくわからなくて

水上:僕が本のことを朗々と喋っちゃったから塩のこと忘れちゃったんですね…僕のせいかもしれません。

福原:そんなことないですよ!

あとは、水上さんは減量していたので、バナナとかおにぎりも自分で作って持ってきていて、最初の打ち合わせのときにバナナの皮が机の上に置きっぱなしでしたね。

滑っちゃう!と思いました(笑)

水上:さすがに僕も「これから一緒に頑張るぞ!」ってときにバナナの皮置きっぱなしはさすがにごめんなさいって思いました。

ちょっと恥ずかしかったです。

福原:でも真面目でストイックだなあという印象でした。

水上:僕は福原さんは抜けてるところもあるんだな~って思いましたよ(笑)

福原:私は褒めたのに!(笑)

野いちご・ノベマ!の読者(ユーザー)に向けて一言お願いいたします。

福原:戦争という事実を、学校で学んだだけじゃわからない想いとかがこの作品から届いたらいいなと思うので、映画を観て、いろいろな想いを感じていただいて、今あるこの生活は当たり前じゃないので1日1日を大切にする、どう生きるかを考えるきっかけにしてもらえたらいいなと思います。

水上:映画をぜひ観てください!というのは僕も同じ気持ちなので…。

僕はそうですね、作品を書いてくださる方がいるおかげで僕たちの仕事になったりするので、小説家もみんなが成功する世界ではないのかもしれないけど、皆さんの想像力を伸ばしていただいて…ぜひ、いい作品を書いてください!

また演じられるかもしれないので!

「お願いします、書いてください」って気持ちです!

<(_ _)>ペコリ、って記事に書いておいてください(笑)

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