後宮のガリレオ2

 麗麗は目に力を込めた。

 「私は、真実を追究する者(ガリレオ)です」

 口にしながら麗麗は自身の言葉に驚いた。自分でもこの名を使ったのが意外だったのだ。

 麗麗のふたつ名である『真実を追究する者』。それは本来、怪異を解き明かす者として与えられた号である。人と人との軋轢(あつれき)に深入りすることは、麗麗の職務ではない。関与してはならないはずだった。

 では、そもそも怪異とはなんなのだろう。怪異は、なぜ起こるのだ。

 (……そっか)

 怪異は、単独では存在しない。

 恐怖、不安、疑念といった人の心的状態が一定条件を満たしたとき、初めて現象として現れる。人の恐怖が存在しなければ、怪異は成立しない。

 怪異とは、人の心。

 人の心に踏み込まなければ、真の意味で怪は解けないのだ。

 「私は、主上ならびに冥焔様より賜りました号において、真実を確かめなければなりません。それが私の使命です」