「ソムチャイ?」

そう声をかけると、カーテン越しに、
「実羽」
とやさしい声。

その声に吸い寄せられる。

うれしくて、でも、今日は少し悲しい。

それを隠すように、私は笑顔を作ってソムチャイのベッドへ。

ソムチャイはこの間と同じように、ベッドに腰かけていた。
私を見てやさしく微笑む。

「今から、空港?」

「・・・うん」

「日本、つく。朝?」

「・・・うん」

うまく話せない。