「昨日」の二見と留美子とは、反対の殺され方。


このふたりの間で……仰向けに倒れて、いる腕のない亡骸。


それが翔太のだと気付いた時には、私は床に座り込んでいた。


腰が抜けて、立っていられない。


それに、体中の震えが止まらなくて……。


カラダを棺桶に納めなければならないのに、そこから一歩も動く事ができなかった。







「あぁ……留美子……翔太……」







皆、この空間で、いつか殺されてしまうのは分かってる。


分かってるけど、こんな惨状を見せつけられると、頭の中をいろんな思いが駆け巡って……私は涙を流さずにはいられなかった。


体が震えて、そこから動く事ができない。


モワッと、むせ返るような血の匂いに嘔吐しそうになりながら、私は泣いているだけ。


どうしようもない脱力感に、逆らう事ができなくて。


私が今から、何をしなければならないのかも忘れていた。


どうして毎晩殺されなきゃならないの?


どうして私に頼むの?


「カラダ探し」をさせられて、留美子や翔太、伊勢と友達になれた事はうれしいけど……その友達が、こうして殺されているのを目の当たりにすると、何倍も悲しみが襲ってくる。