視聴覚室の中は、妙な造りになっていて、最初に三段の階段を上がり、そこから前に向かって、少しずつ低くなっている。


どの席に着いても、前のひとの頭が邪魔にならないような造りだけど、「カラダ探し」においては、そんな配慮は邪魔でしかない。


歩いていても、小さな段差を何度も踏み外しそうになって、調べる事もままならない。


ひとつのテーブルで、3人は座る事ができる。


それが段毎に3つ、6段くらいはあるから、それをひとつひとつ調べなければならないのだ。


横に一列調べて、前の方に進む度、段差を忘れるから困ったものだ。


そうして、順調に調べて行って、すべてのテーブルを調べ終わり、私はため息を吐いた。


「ここにもなかった……やっぱり、簡単には見つからないよね」


視聴覚室の前にあるスクリーンを眺めて、私は途方に暮れていた。


偶然立ち寄ったような部屋に、カラダがあるなんて思ってないけれど、調べて見つからないというのは、やっぱりガッカリする。