翔太が隣の部屋から移動する際に、音の確認はしていると思うから……。
私が廊下に出た時には恐らく「赤い人」は、この真下の教室にいて、今、隣の階段を上がって来ている。
「たぶん……『赤い人』は隣の階段から来るよ……」
耳元でささやいた私に、翔太は小さくうなずく。
きっと同じ事を考えていたのだろう。
「大丈夫さ……いざとなったら、俺に考えがあるから……できるだけ静かにな」
今度は私がうなずき、息を潜めて「赤い人」が通り過ぎてくれるのを祈った。
「お手てをちぎってあかくする~」
まるで、呪いのようなその唄が、はっきりと聞こえるようになった。
階段を上り、二階の廊下に出たのだろう。
どこに向かっているのかは分からないけれど、声が遠ざかっていく……。
ホッと、胸をなで下ろした瞬間、私は今日の行動を後悔した。
グゥゥゥッ……。
夕飯を食べなかったせいで、安心したとたん、お腹が鳴ってしまったのだ。
「からだをちぎって……」
その音に「赤い人」が気付いたのか、廊下から聞こえる歌が止まった。
私が廊下に出た時には恐らく「赤い人」は、この真下の教室にいて、今、隣の階段を上がって来ている。
「たぶん……『赤い人』は隣の階段から来るよ……」
耳元でささやいた私に、翔太は小さくうなずく。
きっと同じ事を考えていたのだろう。
「大丈夫さ……いざとなったら、俺に考えがあるから……できるだけ静かにな」
今度は私がうなずき、息を潜めて「赤い人」が通り過ぎてくれるのを祈った。
「お手てをちぎってあかくする~」
まるで、呪いのようなその唄が、はっきりと聞こえるようになった。
階段を上り、二階の廊下に出たのだろう。
どこに向かっているのかは分からないけれど、声が遠ざかっていく……。
ホッと、胸をなで下ろした瞬間、私は今日の行動を後悔した。
グゥゥゥッ……。
夕飯を食べなかったせいで、安心したとたん、お腹が鳴ってしまったのだ。
「からだをちぎって……」
その音に「赤い人」が気付いたのか、廊下から聞こえる歌が止まった。