伊勢がいてくれた方が心強いけど……決まった事は仕方がない。


「うん、頑張ろうね」


翔太にそう返事をして、ドアが開くのを待った。


「ねぇ武司ぃ。ゴムないけど、どうするのぉ?」


「あぁ? んなもん必要ねぇよ。どうせ殺されたら、『昨日』に戻るんだからよ」


「あー、そうだねぇ。武司頭良い」


なんて頭の悪い会話をしてるんだろう。


本当にカラダを探すつもりがないのだろうか?











それに……本当に、保健室で……。


「ドアが開いたぞ、俺と留美子は東棟を調べるから、お前らは西棟を頼む!」


目の前で、少しずつ開かれて行くドアの隙間に身を滑らせて、校舎の中に入る伊勢。


次に留美子、私と翔太が入る時には、ドアは完全に開いていた。


「美雪、行こう!」


そう言ったかと思うと、突然私の手を取り走り出す翔太。


ギュッと握られたその手に、少しドキッとしたけれど、伊勢に抱き締められた時ほどじゃない。


翔太に引っ張られるままに、私は生徒玄関に入って、向かって右側にある西棟へと走った。


まずは、一階から調べるのだろうなと思っていたら、予想に反して階段を上がろうとしている。