見つめていた携帯電話の画面から顔を上げるとそこは、冷たい空気が漂う夜の学校。


今日は、袴田と二見のふたりも含め、全員が起きている。


「カラダ探し」も二日目で、カラダを全部見つけないと「昨日」を繰り返すのだから無理もない。


「よし、皆起きてるな。今日はふたり一組で、新校舎から調べるぞ」


皆の顔を見回して、メールの内容の話をする。


しかし、それを面白く思わないのは袴田。


「おいコラ、高広。テメェ何を勝手に仕切ってんだ?あぁ?」


「お前らには期待してねぇよ。好きな事してろ」


今日もなんだか、不穏な空気が漂っている。


朝一から殴り合っていたふたりが夜になって、仲良く「カラダ探し」……なんて無理だよね。


「じゃあ、テメェらは保健室には来るんじゃねぇぞ。ベッドで楽しんでるからよ。邪魔したら殺すぞ!」


そう言い、二見の肩を抱く袴田。


本当に、このふたりは何を考えているのだろう。


「み、美雪、今日は俺と一緒だから……よろしくな」


翔太が私に近寄り、そう言ったけど……いつ決まったのだろう?


でも、留美子は伊勢の隣にいるし。


もしかして、私が寝ている間に決められたのかな?