ハァッとため息を吐き、気持ち悪そうに教卓の上の携帯電話を見る留美子。


「それでねぇ、『赤い人』はぁ、白い服を着た女の子なのぉ。ぬいぐるみを取り返す時に殺した人の血を浴びてぇ、真っ赤になるから『赤い人』なんだってぇ」


「アホくせぇ……そんなのただの都市伝説に決まってんだろ?明日香もハンカチが気に入ったみてぇだしな。相島、このタイピンもらって良いだろ?翔太がなくしたみてぇだからよ」


欲しいならあげるけど……袴田先輩にうなずいて、浦西先輩達を待った。


後ひとつ、謎のボールペンを残して。












「遅くなった、すまない!」


慌てた様子で、私達の教室に入ってきた浦西先輩と理恵さん。


室内を見回して私と目が合い、ニコッと笑顔を向けてくれる。


「浦西先輩、絶対あんたの事好きだよ……なんで美雪なんだろうねぇ」


「そ、そうなのかな? ど、どうしよう留美子」


「好きにすれば?付き合うなら付き合っちゃいなよ」


前からいいなとは思っていたけど、そんな事を言われると意識してしまう。


「翔太!相島からのプレゼントだとよ」


そう言い、袴田先輩が浦西先輩に何かを投げつける。


「え?いてっ!」