とりあえず、ふたりの事は今考えても仕方ないという事で、伊勢の知っている事を教えてもらっていた。
前回「カラダ探し」を行ったのは、伊勢と明日香、浦西、留美子と、今回は参加していない健司、理恵の6人。
この6人のうち、なぜ伊勢だけが記憶を持っているのか、なぜ皆、記憶を失っているのか、そしてなぜ、今回明日香が「カラダ探し」を頼む側になっているのか。
その話は要領を得なくて、私と浦西のふたりがかりで、暗号を解読するようにして話を進めていった。
それでも、分かった事はとても少なく、収穫はほとんどと言って良いほどなかった。
現段階で役に立つ情報と言えば、「隠してある場所が難しい所ほど先に見つけろ」という事だけ。
それが分かった時には、もう3限目が終わろうとしていた。
「まあ、考えてても仕方ねぇよ。俺はちょっと向こうに行って来るわ。お前らは好きにしろ」
そう言って、伊勢は屋上の南側に向かって歩いて行った。
「じゃあ、俺は授業に戻るけど、ふたりはどうする?」
「『昨日』と同じ授業でしょ? 出る意味なんてないって。それに、私には授業の内容なんて分かんないし」
留美子らしい返事だ。
前回「カラダ探し」を行ったのは、伊勢と明日香、浦西、留美子と、今回は参加していない健司、理恵の6人。
この6人のうち、なぜ伊勢だけが記憶を持っているのか、なぜ皆、記憶を失っているのか、そしてなぜ、今回明日香が「カラダ探し」を頼む側になっているのか。
その話は要領を得なくて、私と浦西のふたりがかりで、暗号を解読するようにして話を進めていった。
それでも、分かった事はとても少なく、収穫はほとんどと言って良いほどなかった。
現段階で役に立つ情報と言えば、「隠してある場所が難しい所ほど先に見つけろ」という事だけ。
それが分かった時には、もう3限目が終わろうとしていた。
「まあ、考えてても仕方ねぇよ。俺はちょっと向こうに行って来るわ。お前らは好きにしろ」
そう言って、伊勢は屋上の南側に向かって歩いて行った。
「じゃあ、俺は授業に戻るけど、ふたりはどうする?」
「『昨日』と同じ授業でしょ? 出る意味なんてないって。それに、私には授業の内容なんて分かんないし」
留美子らしい返事だ。