そんな事を言われても……。


私だって良く分からないのに。


「あゆみちゃんと武司のつながりで、遊び友達がいっぱいできたよね。健司君も行くでしょ？カラオケ」


明日香さんの言葉に、首を横に振る健司。


こういう、皆で遊ぶ時の健司の参加率は低い。


「そうなの？残念。理恵も来るのになぁ」


「行きます！」


理恵さんの名前を出した瞬間、即答した健司に、私はクスリと笑った。


掃除を手伝ってくれている先輩達。


袴田先輩が教卓の上にある、私が持っていた物を見て私達に尋ねる。


「おい、これはどうするんだ？　捨てるのか？」


「あ、それね、美雪のポケットに入ってたんだって。入れた覚えがないのに入ってたんだよ。気持ち悪くない？」


あゆみが、顔をしかめてその質問に答えた。


「ふーん、じゃあゴミだな。ちょうど良い」


そう言ってガムの包み紙を口に運び、今かんでいるガムを包む袴田先輩。


「知らない物はぁ、すぐに捨てた方が良いよぉ？知らないのぉ？『赤い人』の怪談話ぃ」


その言葉になぜか聞き覚えがあるような気がして、思わず反応してしまう。




何だろう……胸がざわつく。