え?
どういう事?
美紀は美子を捕らえていて……その「呪い」が「カラダ探し」じゃないの?
美紀がそこまで言った時、「赤い人」の左腕が美紀と私の身体を再び貫いた。
あれだけ大事にしていた美紗ちゃんを足元に置いて。
私は……自分でも考えていたのに、「呪い」を解きたい一心で気付かなかった。
「カラダ探し」が猛獣を閉じ込めている檻なら……その檻がなくなった猛獣はどうなるのだろう。
音もなく崩れ落ちているこの世界も、あと少しで完全になくなる。
私達の足場と、数ヶ所の大きな破片だけの世界。
「美雪……本当にありがとう」
再び「赤い人」が、満面の笑みを浮かべて私を見つめる。
私達は……だまされていた?
「カラダ探し」という「呪い」を解くという事を優先して、「赤い人」を利用したつもりでいたけど……。
利用されていたのは私達の方だったの?
でも……どっちが悪いかなんて分からない。
美子がいなければ、「呪い」を解く事はできなかった。