「今の声……何!?」
私の腕の中で、美紀が声を出すけどもう遅い。
「ねぇ……赤いのちょうだい」
「いいけど、痛くしないでよ!」
私がそう言い終わった時には、「赤い人」の右腕が私の腹部を貫いていた。
痛くしないでって言ったばかりなのに……。
あまりの痛みに、美紀を抱き締める腕に力が入る。
でも、私よりも苦しそうなのは美紀。
さっきの可愛らしい笑顔とは一転、恐怖に顔をゆがめ、私に助けを求めるようにしがみつく。
「あ……ああ……私の世界が……壊れる……」
もだえ苦しみながら美紀が呟いた言葉。
ヒビ割れた世界に、さらに亀裂が走り、空間が崩れ始めている。
その崩れた部分にあるのは……闇。
ただ真っ暗なだけの、すべてを飲み込んでしまいそうなほどの。
「美紀……あなたの『呪い』は……ここで終わるの……」
私も苦しくて、声を出すのが辛い。
でも……これですべてが終わる。
崩れ落ちる世界を見ながら、私は安心して美紀を抱き締めた。
「ち……違う……私は……美子ちゃんが暴れないように……」