あんな家族なら、いなくても良いって思ってたのに、今は私の事を無視をしてもいいから生きていてほしいと思う。









……わがままだよね。


「美紀ちゃん、抱き締めさせて……お姉ちゃんね。妹がいたんだ。だけど死んじゃった……」


「うん。美紀ちゃんを妹だと思ってくれていいからね」


ニコッと笑顔で私を見上げる美紀。


妹だと思ってくれていい?














思えるわけないじゃない。













美紀の身体をギュッと抱き締めて……。


「ありがとう美紀ちゃん……優しいんだね」


心にもない言葉を、事務的に淡々と並べながら、私は美紀を抱き締めたまま振り返った。










「美雪……ありがとう」









振り返った私の目の前に……「赤い人」が笑って立っている。


やっぱり振り返ったら現れるんだ。


「カラダ探し」を始めた頃は、まさか「赤い人」と協力する事になるとは思わなかったけど。


無邪気な笑顔で可愛い事を言う美紀と、血まみれで不気味な笑みを浮かべる美子。


同じ幽霊であっても、誰がどう見ても美子の方が醜悪な化け物だ。