「カラダ探し」をやらなければ、目も合わせなかったかもしれない。


そんな人達とこうして一緒にいて、「呪い」を終わらせようとしている。


人生なんて分からないものだな。


私の家族も、私が眠っている間に死んじゃったし。


恐れるものなんてもう何もない。


今、この「呪い」を……美紀を止めないと、二度とこんなチャンスは訪れないかもしれないのだから。


階段の、最後の一段に足をかけた時、いよいよ最後なんだという思いに、私は胸が苦しくなった。


屋上に出るドアを開け、そっと外に出た私は、辺りを見回して美紀を探した。


「明日香の時は……出てすぐに美紀がいたって言ってたけど。今回は違うみたいだね」


柵に沿って、生産棟側へと歩いてみるけれど……外灯に照らされて、校舎が暗闇に浮かび上がっているだけ。


北の端まで来ても振り返る事ができないから、大きく弧を描くようにして方向転換。


次は南側を調べなければならない。


「なんだか、私だけまだ『カラダ探し』をしてるみたい……」