ひとり……「カラダ探し」をさせられている時は皆いてくれたけど、最後は私ひとりなんだ。


寂しいな……。


昔はひとりでいる事が当たり前だったけど、今は違うから。


少しうつむいた時……誰かが私を優しく包み込むように抱き締めてくれた。


私を抱き締めてくれている温もりに、思わず顔を上げる。


「大丈夫……美雪はひとりじゃないよ。皆、信じてるからね」


その声は……明日香。


私の初めての友達。


なんだろう……屋上で高広に抱き締められた時と同じくらい胸がドキドキする。


「ありがとう、明日香……そうだ。明日香の時、美紀が迎えに来た場所は……屋上だよね?」


「うん……」


「じゃあ、私も屋上に行ってみる。美紀に会わなきゃ」


抱き締めてくれている明日香から離れて、私は顔を上に向けた。


美紀がどこにいても、やる事はひとつ。


「美雪、これ……持っていって」


不安そうに留美子が渡してくれたのは携帯電話。


「留美子……ありがとう」


携帯電話を貰っても、もう返す事はできないけれど、お守りとしてもらっておこう。


「それなら、俺もこれをやるよ」


「あ、それなら私も」