美紀はきっとそれを知っているから、終了処理の後にしか美子の前に現れる事がなかった。
この時、美子が動かなかったのは、そうなるように美紀がしていたのだろう。
私は、振り返らないように、大職員室の中を東棟側のドアへと歩きながら考えていた。
つまり、美紀の「呪い」は強いけれど、美子を恐れている。
そう、例えるなら「赤い人」は猛獣で、美紀は「カラダ探し」という檻の中に、それを閉じ込めているのだ。
「だから、安全な放送室を作る必要があったのかな?美紀が美子を避けてるとしたら、どうすればいいんだろ……」
なんて、いろいろと考えてはみるものの、答えなんてもう出ている。
冷静に考えてみれば、これほど簡単な答えはない。
東棟側のドアを開けて、廊下に出た私を、西棟側にいた皆がいっせいに視線を向ける。
「美雪!大丈夫!?」
真っ先に駆け寄ってきたのは留美子。
「うん、話もしたから、後は『呪い』を解くだけだね」
心配してくれた留美子に笑顔を向けて、私は答えた。
留美子に続いて、皆私の方に歩いて来るけれど、翔太はその一番後ろを明らかにガッカリした様子で歩いてきている。
この時、美子が動かなかったのは、そうなるように美紀がしていたのだろう。
私は、振り返らないように、大職員室の中を東棟側のドアへと歩きながら考えていた。
つまり、美紀の「呪い」は強いけれど、美子を恐れている。
そう、例えるなら「赤い人」は猛獣で、美紀は「カラダ探し」という檻の中に、それを閉じ込めているのだ。
「だから、安全な放送室を作る必要があったのかな?美紀が美子を避けてるとしたら、どうすればいいんだろ……」
なんて、いろいろと考えてはみるものの、答えなんてもう出ている。
冷静に考えてみれば、これほど簡単な答えはない。
東棟側のドアを開けて、廊下に出た私を、西棟側にいた皆がいっせいに視線を向ける。
「美雪!大丈夫!?」
真っ先に駆け寄ってきたのは留美子。
「うん、話もしたから、後は『呪い』を解くだけだね」
心配してくれた留美子に笑顔を向けて、私は答えた。
留美子に続いて、皆私の方に歩いて来るけれど、翔太はその一番後ろを明らかにガッカリした様子で歩いてきている。