「遅くなってごめんね。美子は……最初からこの場所を教えてくれていたんだね」


不思議と恐怖は感じない。


失敗すれば、私は「カラダ探し」をさせる事になってしまうけど……ヒビ割れたこの世界が非現実的で、夢でも見ているのではないかと思っているからだろうか。













「……待ってた。でも、美雪は今まで来てくれなかった……」














ブツブツと呟く美子の言葉に、少し悪いなと思いながらも、美子に歩み寄る。


「どうやったら、美紀の『呪い』を解く事ができるの?そうなったら……この世界は崩れちゃうよね?」


私達の周りにある空間の亀裂を見回して、それが崩れ落ちる場面を想像してしまう。


「美紀ちゃんの世界は壊れる……私が壊す。美紀ちゃんも……美雪も」


そう呟いた後、不気味に微笑み私を見る美子。


美紀と一緒に、私も殺されるって事?


それが「呪い」を解く方法なのかな……。


この「呪い」を……世界を壊すには、私も死ななければならないの?


「赤い人」を見たから、振り返らずに校門を出なければならないけれど、棺桶に入った私は校門から出る事ができない。


振り返れば、私は「カラダ探し」をさせる側になってしまう。