それとも、前回やった「カラダ探し」が、無意識に留美子と浦西の脚を動かしているのか。


どちらにしても、私には分からない事だ。


「高広、まずい事になってるのは分かってるのか? 袴田とお前がいがみ合っていたら、きっと『カラダ探し』に支障が出るぞ」


「うっせぇな。あいつらが何もしなくても、俺達でカラダを探せばいいだけじゃねぇか。なんか問題あんのか?」


階段を上りながら、伊勢に説教を始める浦西。


確かに、「カラダ探し」をさせられている人のうち、動かない人がいるだけで効率は悪くなる。


でも、あの死の苦しみを何度も味わいたいと思う人はいないと思う。


普通に考えれば、最初は動かなくても、いずれ一緒に探してくれるはず。


その時まで、何度死ぬ事になるかは分からないけれど。


話をしながら、私達がたどり着いたのは屋上。


あまり人が来ないこの場所は、話をするにはちょうど良い。


「じゃあ高広、『カラダ探し』の事を教えてよ」


屋上の柵にもたれかかった留美子が、殴られた痕が痛々しい伊勢にたずねた。