「何もする事がねぇなら、俺達は帰るぞ?いても意味ねぇだろ」


明日香の問いに、つまらなさそうに答えたのは袴田。


別に帰るなら帰っても良いけど、「呪い」を解くまでいなくてもいいのかな?


「袴田、帰ってもかまわないけど、『呪い』が解けなかったら俺達を殺すんじゃないのか? 失敗したら……明日、美雪が『カラダ探し』を頼みに来るかもしれないぞ?」


フフンと、翔太は自信に満ちた表情で袴田を見るけれど……もしも失敗したとしても、私は袴田を選ばないよ?


選ぶわけがないじゃない。












あれから3時間以上が経ち、教室で八代先生の連絡を待ちながら話をしていた私達は、話す事もなくなっていた。


高広と袴田なんて、机を並べてその上で寝ている。


結子が言ったように、ふたりは似ているという事が良く分かる。


そんな時だった。


明日香の携帯電話が教室に鳴り響いたのだ。


「来た!来たよ皆!はい、森崎です……分かりました。今行きます」


すぐに携帯電話を開き、八代先生からの連絡を受けた明日香。


ついにこの時が来た……。