「ちょっと……授業中だよ!静かに!」


「あ、ああ……そうだったな。いやあ、スッキリしたな。そうかそうか、好きか……フフフ」


再び私の隣に腰を下ろして、ニヤニヤと笑う。


今日の翔太は暴走気味だな……。


この後、ずっと笑顔で話ができたけど、少し不気味だった。


六限目が終わるチャイムが鳴り、私と翔太は屋上で皆が来るのを待った。


美子が教えてくれたのは大職員室で間違いはないはずだけど、先生達が帰るまで待たなければならない。


「赤い人」は放課後の校舎にひとりでいる時に現れる……。


「呪い」には「呪い」をぶつけるしかない。


私達の中に解呪ができる人がいるのなら話は別だけど、そんな事ができるなら、とっくにやっているだろう。


「呪い」を解く……なんて言ってるけど、壊すと言った方が近いかもしれないのだ。


それも、この様子だとヒビ割れた世界は崩れ落ちてしまう。


「美雪、一日お疲れ。話は高広に聞いたよ。まさか大職員室だったなんてねぇ……」


皆を引き連れてやって来た留美子が、突然私に抱きついてそう話す。


こういった突発的な行動は理解できないけど、一番留美子が安心できる。